賞与、なぜこんなに引かれる? - 賞与の手取りが少なく見える理由
賞与の手取りを初めて確認する瞬間の表情は、だいたい似ています。通知された金額と口座に入った金額の差が、思ったより大きいからです。
普段の月給から引かれる割合を基準にざっと見積もっておいたのに、それよりずっと多く抜けている。だから職場では同じ言葉が繰り返されます。「賞与は税金を多く取られる」。賞与の手取りが妙に厳しく見えるこの現象は実際に起きていることですが、原因はよく言われているものとは少し違います。
- 賞与だけが特に多く引かれるように見える原因を、構造として理解できます。
- 先に引かれたお金と最終的な負担がどう違うのかを区別できます。
- 自分の場合に本当に負担が増えたのかを判断する基準ができます。
事件: 明細書の数字が見積もりと合わない
状況を具体的に置いてみます。普段の月給明細で控除の割合がだいたい15%前後だった人が賞与を受け取ります。同じ割合を期待して計算しておいたのに、実際に口座に入った金額はその期待値より目に見えて少ない。
ここで二つの解釈が分かれます。一つは「賞与には別の税率が適用される」という解釈で、もう一つは「引く時点の計算方式が違うからだ」という解釈です。職場で回っている話はたいてい前者ですが、実際の構造に近いのは後者です。
原理: 韓国の勤労所得税は一年をまるごと見る
賞与は別枠の所得ではなく勤労所得です。月給と同じポケットに入ります。ところが、このポケットにかかる税金には二つの性質があります。
第一に、累進構造です。所得が大きくなるほど、その上に乗る部分に高い区分の税率が適用されます。だから所得が二倍になっても、税金は二倍ではなくそれ以上に増えます。
第二に、期間課税です。税金がかかる単位は一か月ではなく一年分の所得全体。1月から12月までに受け取った勤労所得をすべて合算し、控除を引き、そこに税率を適用してその年の最終税額が決まります。
問題は、会社が賞与を支給する時点がその年の12月31日ではないことにあります。最終所得がまだ確定していない状態でお金が出ていかなければならないので、会社は定められた基準に従ってひとまず差し引いて支給します。これが源泉徴収です。
概念: これを「先徴収のタイムラグ」と呼んでみます
この記事では、ここまでの構造に名前をつけておきます。先徴収のタイムラグ、つまりお金が出ていく時点と税金が確定する時点がずれている状態です。名前をつける理由は一つだけ。この概念があってはじめて「多く引かれた」と「多く負担した」を分けて語れるからです。
先徴収のタイムラグでは、二つの数字が別々に存在します。支給時点で会社が差し引いた徴収額、そして一年が終わって確定する最終税額。この二つはもともと同じではありません。同じである理由がないのです。
前者はまだ結果がわからない状態で規則に従って計算した値であり、後者は結果をすべて知ったうえで計算した値だからです。この差額を後で合わせる手続きが年末調整です。先に引いた分が多ければ戻り、少なければ追加で納めます。
だから賞与明細の控除額は、最終的な請求書ではなく途中の領収書に近いものです。
賞与の手取りが厳しく見える体感のかなりの部分は、このタイムラグから来ます。支給時点ではその年の所得が確定していないので規則に従って先に引き、最終的な負担は年末調整で改めて合わせます。
だから支給時点の控除額を、その年の税負担と同じものとして読むとずれます。
適用: 賞与の手取りが特に厳しく見える理由
ここで最初の事件に戻ってみます。なぜよりによって賞与でこのタイムラグが際立つのでしょうか。三つが重なります。
一か月の所得が急にふくらむ
賞与が乗った月は、所得が普段の数倍になることもあります。累進構造では上に乗る部分ほど高い区分に当たるので、同じ人の同じ一年の中でも賞与部分にかかる割合が普段の月給部分より高く出ます。
賞与専用の税率が別にあるからではなく、乗る位置が上のほうだからです。
比較の基準が月給の控除率になっている
人は賞与の手取りを見積もるとき、普段の月給の控除の割合をそのまま持ってきて使います。ところがその割合は基礎的な控除がすでに吸収した後の結果値です。
賞与にはその緩衝が新たにつかないので、体感の割合がぐっと上がります。基準になる数字そのものが、比較の対象として適切ではないのです。
韓国の四大保険が項目ごとに違うつき方をする
健康保険と雇用保険は賞与を含む報酬を基準に賦課される一方、国民年金は基準所得月額を基準に毎月賦課される仕組みなので、賞与の支給時点で別途引かれない場合が一般的です。
会社の処理方式によって変わり得るため、同じ金額を受け取っても明細書の控除項目が会社ごとに違って見えます。
三つのうち前の二つはタイムラグと錯覚の問題で、三つ目は実際の負担の問題です。こう分けておくと、明細書を見て何を確認すればよいのかがはっきりします。
反論: 「では年末調整で全部返ってくるのでは?」
ここまで読んで出てきそうな反論です。そしてこの反論は半分だけ当たっています。
当たっている半分はこうです。先に引いた金額が最終税額より多かったなら、その差額は戻ります。賞与のせいで支給時点に大きく抜けていったとしても、その年全体を合算したときに最終税額がそれより小さければ、精算の過程で戻ってきます。
外れている半分はこれです。賞与はその年の所得そのものを大きくしました。所得が大きくなれば最終税額も一緒に大きくなります。つまり戻ってくるのはあくまで先に引いた金額と最終税額の差額であって、賞与から抜けていったお金の全体ではありません。
先に引いた金額のほうがむしろ少なかったのなら、精算のときに追加で納めることになります。
| 区分 | 何なのか | どうなるのか |
|---|---|---|
| タイムラグによる部分 | 支給時点で先に差し引いた金額のうち最終税額を超える分 | 年末調整で精算 |
| 実際に増えた負担 | 賞与でその年の所得が大きくなり最終税額が増えた分 | 精算しても残る |
| 保険料の部分 | 賞与を含む報酬を基準に賦課される項目 | 保険ごとの基準による |
「賞与を分けて受け取れば税金が減りませんか?」
支給時点で引かれる金額は変わり得ます。ただし、その年のうちに分けて受け取るのであればどのみち年末調整で合算されるので、最終税額がその理由だけで減ることはありません。
年をまたいで支給される場合は帰属年度が変わって結果が変わる余地がありますが、これは支給時期と会社の処理基準によって判断が分かれる領域です。
「明細書の控除額がおかしければ会社のミスですか?」
断定しにくいところです。賞与に対する税額の計算には支給対象期間という変数が入り、扶養家族の数や会社が適用した非課税項目によっても結果が変わります。
同じ金額を受け取った同僚と控除額が違うこと自体はよくあることです。数字が納得できなければ、給与担当部署に計算の根拠を聞いたほうが早いです。
含意: では何を見ればいいのか
先徴収のタイムラグを知ると、明細書で見る場所が変わります。控除額ひとつに驚く代わりに、それがどちら側の数字なのかをまず選り分けるようになります。
- 控除項目を一つずつ見る: 所得税なのか保険料なのかで、後から精算されるかどうかが変わります
- 支給対象期間を確認する: 賞与の税額計算に入る変数なので、結果が大きく変わります
- その年の総所得で見積もる: 賞与だけを切り離して見ると、いつでも厳しく見えます
- 精算の結果まで見て判断する: 最終的な負担は年末調整が終わってから確定します
交渉の場でも同じ話になります。賞与の条件を比べるときに税引き前の金額だけを置いて見ると、判断が揺れます。受け取る時点で手に入るお金と、その年全体で残るお金は別の数字だからです。
自分の賞与の手取りがいくらか確認してみましょうか
数字を直接入れてみると構造がずっと早くつかめます。賞与の手取り計算機に賞与の金額を入れれば控除後の金額がすぐ出ます。
月給と支給対象期間、扶養家族の数まで入れると、韓国の所得税法施行令第195条の賞与に対する税額計算方式を適用した結果に変わります。
健康保険・雇用保険・国民年金は会社の処理方式が分かれるところなので、項目ごとにオンとオフを切り替えられるようにしてあります。明細書を横に置いて実際の控除項目と突き合わせてみると、どこで差が出ているのかが見えます。
年収全体を基準に口座に残る金額が気になるなら年収の手取り計算機が合っていて、時給制の給与を扱うならアルバイト給与計算機が便利です。ただしどちらも結果は参考用の推定値なので、確定した金額が必要なら韓国国税庁ホームタックスや会社の給与担当部署、税務の専門家に確認してください。
参考資料
- 韓国 所得税法施行令 第195条(賞与等に対する税額の計算)。韓国法制処 国家法令情報センター
- 韓国 所得税法 第127条(源泉徴収義務) · 第137条(勤労所得税額の年末調整)。韓国法制処 国家法令情報センター
- 韓国国税庁ホームタックス、勤労所得の年末調整案内。国税庁ホームタックス
- 国民健康保険公団・国民年金公団・勤労福祉公団、保険料の賦課基準案内。